小さく始め、大きく動かす——決断の原点

自動化を始めるにあたって、どんな現場でも疑問や迷いはつきものです。

「本当に成果につながるのか」
「費用に見合う成果があるのか」
「現場に馴染むのか」

arikawaの経営陣も例外ではありませんでしたが、不安を理由に立ち止まるのではなく「試行錯誤を重ねながら前に進む柔軟な姿勢」を選びました。初期フェーズでは、効果の見えやすいプレスと検査の二つの工程から、小さく、確実にスタートしました。導入前には、画像処理の精度や把持性能の繰り返しテストを実施。検査ではカメラの精度を繰り返しテストし、プレスではロボットのワーク把持精度を実証しました。綿密な検証が現場の納得感と信頼につながり、プロジェクトを力強く前進させました。

ROIだけでは測れない、本質的な投資価値

協調ロボットのように汎用性の高い設備は、省人化だけでROIを評価すると見劣りしがちです。特に、協調ロボットは高速性において、産業用ロボットに及ばないため、一工程あたりの所要時間の削減だけを基準にすると、投資効果が見えにくくなるケースもあります。しかし、arikawaでは投資効果を以下のように広い視野で捉えました。

  • 生産性:24時間稼働に近い体制で売上拡大

  • 品質 :不良率の低下と顧客満足の向上

  • 採用 :職場魅力向上による人材の獲得・定着

  • 組織力:現場のスキルアップと風土変革

実際、プレス工程では補助金も活用し、6年かかると見込まれていた回収期間を4年へ短縮することに成功しました。目の前のコストだけを見るのではなく、将来を見据えた持続可能な経営を行う為の判断でした。

全てを自前では目指さない、戦略的な連携

arikawaは「すべてを自前で抱え込む」のではなく「できるところに集中する」戦略を立てました。内製と外部委託のバランスを見極め、日常的な運用や改善は自社対応でノウハウを蓄積し、専門性が求められる領域や一時的な負荷には、信頼できるパートナーの力を借りて補いました。その結果、無理のない分担でスピードと安定感を両立し、プロジェクトを着実に前進させることができたのです。

人を動かすのは、目的と環境づくり

優れた仕組みを導入しても、動かすのは人です。arikawaが真剣に向き合ったのは、人材育成でした。技術教育だけではなく「なぜこの改革が必要なのか」を丁寧に説明し、社員が目指すべき方向を共有しました。

社員の中に当事者意識を育み、変化への納得と共感を醸成していきました。失敗を恐れず、チャレンジ志向の企業体質を根づかせるため、試行錯誤を重ねた実践の肯定を明確に打ち出しました。また、資格取得支援や研修参加への補助制度も導入し、実践と支援の両面からサポートしています。

覚悟を示すリーダーが、空気を変えた

何より大きな推進力となったのが、経営者の強いリーダーシップです。「ものづくりの未来を創る」という明確なビジョンを掲げ、自ら先頭に立ち、社内外に発信を続ける。その姿勢が、社内の信頼と共感を呼び、行動を生み出しました。

技術や装置だけでは変わらない。変革の推進力は人の意志です。その姿勢が社内に本気を伝え、改革の空気を一気に変えていきました。arikawaの事例は、変化の原動力が「人」であることを、強く物語っています。恐れずに一歩を踏み出したその姿勢が、組織全体に波及し、次の成長へとつながっていったのです。

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有川製作所は、最先端のロボティクス等を活用し、製造業の本格的な自動化 (MX) を実現する『小人の靴屋プロジェクト』を行っています。

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自動化 (MX)・デジタル化 (DX)・脱炭素化 (GX) など、製造業に関する新たな取り組みに果敢に挑戦し、自社の企業価値を高め続けると共に、蓄積されたノウハウを製造業界全体に波及させることで、製造業を変革させ、モノづくりの未来を実現します。
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